昨年の10月から高松市内で設計をさせていただいていた住宅が、先月初めに建て方を終了し、全体のボリュームや内部の空間も段々と現れてきました。

現在、現場では外壁工事が進行中です。外壁が施工されると、建物の印象を大きく左右する要素の一つである「色」が現れ、建物の姿はより具体化されます。この住宅では「茶色」をテーマに各部分の色が決定されています。「茶色」がテーマとして決定されるまでには、敷地の周辺環境、クライアントが持たれているイメージなど、様々な条件が考慮されているのですが、この時点では「茶色」はあくまで「茶系」です。その後、実際に使用する素材に塗装をした「サンプル」を幅広くある「茶系」の中から微妙な色の違いを含めて幾通りも用意し、イメージに近い色を、検討していきます。
検討中には、「もう少しカサカサした茶色がいい」あるいは「イメージとしては、こう、ガサガサした茶色」はたまた「もっとジィ~ッとした茶色が理想」などといった、新たなサンプルを目にする度に不意に出される、およそ擬音ともとれる表現による所長の要求をも踏まえる必要が有り、所長の頭の中では何が見えてるんだろうと想像しながら、なかなか単純には決定に至りません。そういった検討を繰り返し、ようやく決定した色の外装材が一部現場で立ち上がっています。

今後、外部と内部の空間が連続する箇所、また素材が切り替わる箇所などの塗装が進行し、全体の色の関係がはっきりとしてきます。所長のイメージ表現に細心の注意を払って色の選択をしていきたいと思います。
サエキ