関東建築旅行5~ケネス・フランプトン講演会~
2日目の最後は、今回の旅で一番の目的でしたが、建築史家・批評家であるケネス・フランプトン氏の講演を聴きにお台場に向かいました。
テーマは『現代建築批評-テクトニックを巡って』。著書である『現代建築史』第4版に加筆された第Ⅲ部第7章の内容で、現代建築をtopography,morphology,sustainability,materiality,habitat,civic form、の6つに分類して紹介するものでした。
最も印象に残っているのは、世界でグローバリゼーションが進む中、異文化を背負った建築家が他国で建築を作るとき、場所に対して責任をもつ意義ある建築を作ることが困難になっているという点でした。資本の加速化に伴って建築も高速化し、巨額の資本と最新技術を駆使した建築、著名な建築家によるブランド建築が建てられることを懸念しているようでした。
今回の講演では勉強不足で内容を理解できたとは到底言えないのですが、個人の感想として、現代建築の全てではないけれど、その向かう先が資本と技術によって可能性が広がっているにもかかわらず、その場所に存在する意義を感じにくくなっている様な印象を受けました。
氏は講演の最後で、資本と現代建築の関わり方の可能性の一つとして、ブラジル人建築家パオロ・メンデス・ダ・ロカの建築を挙げていました。
数年、数十年経ってから、現代建築はどのような建築だったと語られるのでしょうか。
ふと、そんなことを考えた講演会でした。
イノウエ
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